昨今、数件の歯科医院を運営する医療法人は、地域No1を飛び出し、隣接する他県エリアにも進出する動きが強くなってきました。
ひとえに、歯科医師の先生方が経営を学び、経営者としての手腕を磨かれていることが要因の一つにあるのではないかと思います。
ここでは、多店舗展開する医療法人の方法ではなく、自分の医院を護っていくためにという視点で、展開される側の立場に立って考えていきます。
歯科医院の経営の特徴の一つに「移動ができない」という特徴があります。
それはすなわち、医院を構えることにより、顧客(患者様側)に来てもらう立場ということです。(訪問診療に特化した医院を経営するのであれば医院を中心とした半径16kmまでは外に出ることが可能ですが、外来で保険メンテ(SPT)を中心に保険点数を計算するクリニックということを前提にお話します。)
移動ができないという話に戻ると、自院を開業した後、近くに大型医療法人の分院がきたときに手の打ちどころに困るという側面があるということです。
重ねて、後からくる医院は当然自分達より新しい医院ということになりますから、設備や外観も新品状態ということです。
そう考えたときに、自身が開業する瞬間から、他の医院に近くに攻め込まれたとしても護れるブランディングを確立しておくことが、経営の持続性という点で笑えない程に重要になります。
考えてみてください。自身が地元の個人商店の経営を営んでいるとします。真向かいにセブンやローソンができたらどうでしょうか。近くにイオンモールがドカンとできたらどうでしょうか。もし、そうなったとしてもお客さんが自分のところを選ぶには?という視点で経営しないと、地域の方々にとってはどことも変わらない1件の「歯医者さん」になってしまいます。
多店舗展開する医療法人をブロックすることはできません。そうなる可能性とリスクも想定して、自身の経営に色をつける工夫を重ねていきましょう。
<自身をブランディングすることも非常に大切>