5つの経営資源とその使い方 【 第一章 ➁ 】

《 5つの経営資源=ヒト・モノ・カネ・情報・時間 》

ビジネスの原則「お金を何かに換えて」の「何か」は、この5つの経営資源《 ヒト・モノ・カネ・情報・時間 》に収束します。
この経営資源の分類がわかるようになると・・・
・自院の経営には今何が有効なのか
・ブランディングにはどう影響がありそうなのか
など資源の使い方が適切に判断できるようになり、経営の“選択と集中”の精度を高めることができるようになります。

また、資源の分類を習得することにより、経営の充足不足ポイントが見える化できるようになります。
充足不足ポイントが見えてくるだけで、課題に対するアプローチも的確になるので、課題解決のスピードも格段に上がります。

クリニック経営の代表的な課題を5大資源に置き換えてみると
・すぐ院長室にこもりたくなる。コミュニケーションの仕方がわからない(ヒト)
・スタッフの技術力がわからない。または研鑽する必要がある(ヒト・モノ(技術))
・損益分岐もなんとなくしか知らず、経営におけるお金の使い方を知らない(カネ)
・開業や経営について知り合いから断片的に聞く程度(情報)
・「忙しい」が口癖で、それが当たり前だと思っている(時間)

これらの「クリニック経営あるある」は、一度は身の回りで聞いたことがある話だと思います。
誰もが強化していくポイントを持っていて当然なのですが、
他者と差がつく最大のポイントは、この5大資源のどこが弱いのか、できているのか適切に自覚し、それに合った対策を打つことなのです。

~ まとめ ~
経営は「5つの資源の特性を理解し、限られた資源をどうバランスよく使っていくかがポイント」ということです。
この、経営資源をコントロールすることを「マネジメント」といいます。
「マネジメント」と聞くと、つい“ヒト”のマネジメントが真っ先に思い浮かぶことが多いと思いますが、
経営においては「5大資源のコントロール=マネジメント」だと理解してください。
「マネジメント=ヒトにするもの」と、1つだけの資源の認識でいると、スタッフに対して「どうして自立しないんだ」であったり、
「うちの医院は院長だけ頑張っていて生産性が悪い」とストレスを抱える経営を続けることになります。

ヒトの成長に直結する教育においても、資源は複合的に関連しているので、原因は “ 時間 ” の資源配分なのか、“ 情報 ”への投資がなされておらず、
知識のアップデートがなされていないことが、本質的な原因であることは少なくありません。
最短距離で課題解決するためには、どの資源配分に問題があるのか、客観的に見直すことがポイントです。
特に、開業期は借入が発生するので、カネの資源に不安を覚えやすい時期であり、
同時に “ ヒト  ”が育っていない時期でもあるので、スタッフに強く当たってしまうことも少なくないと思います。

しかし、それらの問題の根本は事前の “ 準備不足 ” からきていることが多く、その準備不足は、学生時代や勤務医時代に経営を学ぶ環境がなかった “ 弊害 ” の1つなのです。
ここまで、経営の源泉は、どんな経営であっても、自分が何をしたいのかであり、
それに対してどう5大資源を投下していくのかが(経営手腕)、経営の存続に大きく影響することを共有いたしました。
資源の活用について、より詳しくは2章以降で解説しますが、ここでは、経営を存続させるために、
5大の経営資源の重要性と、その資源の配分をすることが“マネジメント”であることを押さえてください。

~ポイント~
□経営とは、「やりたいこと(ビジョン)に対して適切な経営資源の配分を行うこと」
□5大の経営資源とは「ヒト、モノ、カネ、情報、時間」
□ “ カネ ” の資源の特異性は “ 無くなったら終わり ” と “ 他の資源を買える ” こと

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