近年、医療法人では勤務医のドクターにも非常に良い雇用条件を用意するところが増えてきたので、生涯勤務医でもいいなと考える先生方も増えてきたように感じます。
開業をお手伝いする立場からしても、生涯勤務医の選択が出てきたことには非常に良いことと思っており、ご自身の将来に「開業しかない」というプレッシャーで働かなくてよくなってきているのは嬉しく思います。
生涯勤務医を選択する先生にとっても、開業医を志す先生にとっても知っていただきたいのは、実は働き方という意味では「開業医」か「勤務医」かの裏側に、大前提としてどちらとも社会人である前提条件があります。そして、その前提のさらに奥には、「経営者」か「従業員」かという大きな立場の違いがあることは、あらためて認識しないといけません。
年商3億円から10億円を超える医療法人でも散見されるのは、従業員からの「コレがなってないんだ!」という不平不満です。
辛辣な言い方をすると、従業員である以上、それが受け入れられなければ職場をかえる=雇ってくれる経営者を変えることをせざるを得ません。
中には、意見を聞いて柔軟に対応してくださる経営者のもとで、職場環境をよくしようとする組織も存在しますが、経営者は自身の描く経営をしているので、従業員はそれに従属しているということを忘れてはいけません。
つまり、「開業かなぁ、勤務医かなぁ」という考え方に「経営者になるのか、従業員として働くのか」という選択を自身に問いかける必要があるということです。
今回のニュースで何がお伝えしたいかというと、勤務医として技術を身につけたとしても、それは従業員としての技術であって、経営者としてのスキルがUPした訳ではないため、開業して成功する自信を兼ね備えてしまうのは危ないということです。ゆえに、開業後に「技術はあるのに患者はわからん!」ということが起こります。
採用の技術、雇用条件の整備、スタッフマネジメントなど、一般起業であれば人事部(採用)や営業部(数字を上げる)が存在しますが、歯科医師の開業後はそれらを自身で行うことになります。
どれかをやらなくて良い訳でもないので、しっかりと自分でできるのか・やるのか・できないのか・だから頼むのかなど役割を分担することが大切です。
<歯科医師になった経緯・院長の想い>
大阪府 呉本理事長
愛知県 味岡理事長
群馬県 林崎理事長