ビジョンの創出 ~ 自分の「やりたい」「好き」「したい」は何か ~【 第一章④ 】

趣味や好きなことがとてつもない行動力を生むように、経営においても
「自分のしたいを持っている」ことは原動力となり、強力な強みの1つです。

マネジメントフレームにおいて、はじまりとなる源泉に位置するビジョンの大きさが、
経営を回すエネルギー、いわば源泉から湧き出る水の量ですから、流れ出る水が多いほど下流は潤い、栄えていきます。
マネジメントフレームのはじまりであるビジョン(やりたいこと)が、経営者にとってワクワクするものであればあるほど、
人口減やライバル過多といった向かい風になるような環境下でも、なんなく乗り越えることができます。

クリニックの開業を考えはじめるきっかけは、「城を持ちたい」や「時期」でも構わないと思いますが、
源泉の「量」が経営を回す原動力ですから、ビジョンは、開業前の計画の段階で創出する時間を確保しましょう。

開業を検討している先生方から、よく「内装をどうしたらいいのか」「ホームページは、内覧会は……」と部分的なご相談をいただくのですが・・・
この質問が浮かんだときは、「なぜ、どんなクリニックをつくりたいのか」とビジョンに立ち返る必要があると思います。

もし、「こんな患者さんにきて欲しいんだ」というビジョンがあれば、
「ターゲットの患者さんに受け入れていただけるような内装、好感をいただけそうなデザインを用いたホームページ、喜んでいただけそうなノベルティなどを含めた内覧会を行えばいい」
といったように、実は、大変シンプルな意思決定ができます。
「内覧会のノベルティは、業者に任せてアヒルのおもちゃでもいいかぁ。先輩もやってたし」という意思決定では、
その決断自体が経営者の意図しないブランディングにつながってしまう恐れがあるので、ここでの「とりあえず」も軽視はできません💦

また、やりたいことを明確にすることのさらに良い点として、ビジョンがあることで「自分好みを脱却することができる」という最大のメリットが生まれます。
どういうことかというと・・・
ターゲットに合わせた内装や設備投資を考慮できるようになり、他の施策も「ターゲットがどう思うんだろう」という顧客の目線と観点でスタッフと話ができるようになるのです。

患者さん想いの風土作りのきっかけも、実は、こういった考え方と会話からはじまっています。
このように、ビジョンを理想の未来として描き、その理想から逆算してたどり着くために計画立てすることを、バックキャスティングといいます。
逆に、過去の延長線から今があり、その延長線上に未来を想像することをフォアキャスティングといいます。

もう少しわかりやすくお伝えすると↓↓
「過去は関係なく、極論は、こうなったらいいな」=バックキャスティング思考
「今までの流れからすると、今後、こうなったらいいな」=フォアキャスティング思考

バックキャスティングとフォアキャスティングの、どちらが良い思考法という話ではありませんが
過去からの延長線で未来を考えるフォアキャスティングよりも、ビジョンの創造という点において
自由な発想と理想を描くバックキャスティングのほうを、私は推奨しています!!!

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