メニューと価格が決まっている保険診療【 第二章 ➁ 】

経営という観点で、保険制度の特殊性がどこにあるのかというと・・・

1⃣  患者の負担額は医療費の一部である !! とうこと
0歳から義務教育就学前(6歳)までは2割負担
義務教育就学後から 70 歳までは3割負担
70 から 75 歳までは2割負担(現役並み所得者は3割)
75 歳以上は1割負担(現役並み所得者は3割)
となっています。( *2020 年6月現在 )

保険診療を受診する患者側は、最初から7割引以上のメニューを提示されているようなものなので、一般ビジネスとは異色の条件であることの理解は必要です。

2⃣  保険診療であれば、基本的にどの医療機関であっても同じ内容を同じ金額で提供している( 施設基準による違いを除く )
医療機関以外の、飲食店やITサービスなどの企業が開業する場合 ↓
サービスの内容や販売金額、利益率などを鑑みながら、独自にメニューを考え、開業することができます。
一方、医療機関の場合、保険診療については、はじめから治療( メニュー )の内容だけでなく、金額も既に決まっています。
つまり・・・
開業する際にコースやメニュー、価格を決める経験を、保険診療を主体とするクリニック経営の場合は経験しないため、
自費の金額設定で「 いくらにしたらいいんだろう 」と難航するケースが非常に多いのです🤔

セブン – イレブンのようなフランチャイズチェーンでたとえてみます。↓
国がフランチャイズの本部( 親 )で、クリニックはその加盟店( 子 )のような位置付けと酷似しています。
保険診療を主体にするということは、本部( 国 )が決めたメニュー、金額に従って売上を構築することを意味するので…
仕入れる材料の価格や保険改正の内容によって売上利益が変化し、経営の方針までもが、左右されることになります。
*( 今後の法律の改正で、歯科衛生士が独立できるような < 医師の指導がなくても > 改変がなされた場合、衛生士が自ら仲間たちと開業することも十分にあり得ますから、環境は激変するでしょう )
また、開業前から保険診療の位置付けを理解しないまま経営をはじめてしまうと・・・
結果として戦略面、特に自費診療にシフトする場合などの “ マーケティング ” と “ ブランディング ” において、非常に難航する結果となってしまうのです。

今回はここまで。
次回、“ マーケティング ” と “ ブランディング ” が難航してしまう原因などを詳しくお話していきたいと思います。

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